癌で余命２ヶ月と言われた男。
とはいえ、そんなこと言われたって、急になんかいろいろ身じまいできるはずもない、というのがリアルだった。
特にこの男ウスバルは、セネガルや中国からの不法移民に仕事をあっせんしたりいろいろやばいことをしている上、奥さんは躁鬱で２人の子どもの面倒見たりして忙しい。
描かれるのはバルセロナの底辺も底辺、みたいな生活。暗いし汚いし、みんな、大丈夫かよ…って感じでウスバルの余命２ヶ月なんてどうでも良いように思えてきてしまう。はるか向こうにシルエットだけ見えるサグラダ・ファミリアがはりぼてみたい。
ウスバルが霊媒師みたいな仕事をしているのだけよくわからなかったけど、向こうの死生観みたいなのが感じられた。
ウスバルは最初、横柄だし仕事も仕事だし、どんな奴かと思ったけど、ただただ良い奴だった。中国人たちに暖房器具を…のところめちゃくちゃ悲しかった…。
今年何本か見たけど、ハビエル・バルデムって本当素晴らしい。
