カズザク17

居酒屋ゆうれいのカズザク17のレビュー・感想・評価

居酒屋ゆうれい(1994年製作の映画)
4.0
死んだ奥さん、今の奥さん、旦那さんの三人が顔を合わせる、不思議で少し可笑しな設定の物語。毎晩顔を合わせるうちに、死んだ奧さんと今の奥さんが仲良くなる。同じ人を愛している二人なので、多少の憎悪・嫉妬心はあるものの、どこかわかり合えるところがある。良きライバルであり、良き理解者といった関係か?愛する二人の奧さんに、少し歪な形だけど会える旦那さんは幸せ者である。ただ、同じ場所で二人が悪い顔を合わせるのは、微妙だけど…。最後は「過去の人」と「今の人」との選択・決断を迫られ、「今の人」…友人の将来を選択する。そのことで、死んだ奥さんには会えなくなるけど、旦那さん、死んだ奥さん、今の奥さん、今の友人…それぞれが新たな一歩を踏み出す。死んだ人が新たな一歩を踏み出す…って変な話だけど、死んだ人(幽霊)にとっても、「成仏」は現世への未練を絶ちきる大切な一歩なんだと感じた。