1980年公開。
当時はきっと今よりも差別意識に無意識だったり、好奇の目というのが強かったと思われる。
電車から降りたメリックが、人々に追われ、追い込まれたトイレで叫ぶ言葉が身に染みる。
異形であること、人と違うこと、そのこと自体に異和を感じるのは、ある種当然のこと。
でも出会った時に、自分がどう感じるのか、どう振る舞うのか、日頃から何を感じ、何を考えているかが表れるように思う。
夜の見回りをしていた男は論外だが、バイツにも、ある種の憐れみを感じるところが無くも無い。
が、あそこに堕ちたら終わり。
ケンドール夫人まで高貴な心を持つことは難しいかもしれないが、意外と一緒に暮らしていた小さな男の子ぐらいが一番素直な感情・反応だったのかもしれない。
ラスト、メリックが横になって、安らかに眠れていた事を願う。