僕は動物なんかじゃない!これでも人間なんだ!とジョン・メリックが悲痛に叫ぶシーンが忘れられない。生まれつき奇形で虐待され見世物として扱われていたメリックが、一人の人間として受け入れられ、安心できる家まで得ることが、どれだけ幸せなことだったか。
若きアンソニー・ホプキンス、医師トリーヴスも良かった。研究対象としてメリックを連れ帰った自分も、見世物小屋の主人と同じじゃないかと自問自答するところも印象的。だけど、そうじゃないことはメリックを見ていれば分かる。医者と患者の関係でも、相手に敬意を持って、メリックが"大切な友"と呼ぶくらい大事に関係を築いていたことがわかるし、彼は本当の意味で人間になれた。ショッキングで悲しいけれど人間の尊厳とは何か考えさせられる傑作。