フジマークス

エレファント・マンのフジマークスのネタバレレビュー・内容・結末

エレファント・マン(1980年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

骨のある大傑作なので、文章がまとまらない。
ただ映画を通して、物語レベルだけでなく、技法レベルにおいてもジョンが見世物的扱いから、人間として扱われる様になっていくということは言える。
映画冒頭でジョンは姿を隠され、まるでホラー映画のような見世物性が認められる技法によって描かれていた。
中盤からは通常の人間の関係を描く切り返しショットが用いられるようになる。
ジョンが普通の人間のように横になって眠るラストシーンを持って、物語レベルでも、技法レベルでも怪物だったジョンは確かに人間になる。デヴィッドリンチによる映画の語りを通して。そうして物語は大円団を迎える。

多くの登場人物のジョンへの視点が観客に代理される。この映画を観た観客にとって、自分を善悪のいずれかに分類することは簡単ではない。
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