Naoya

エレファント・マンのNaoyaのレビュー・感想・評価

エレファント・マン(1980年製作の映画)
3.0
19世紀のロンドン。優秀な外科医の男は、見世物小屋でエレファント・マンと呼ばれる青年と出会う。極端に身体が変形した青年の姿を目にした外科医は大きな衝撃を受け、彼を病院で預かることに。デヴィッド・リンチ監督のヒューマンドラマ作。奇形(あえてこの言葉を使うが、)の青年ながら、外科医との交流、そして彼自身を人として扱う人たちの姿は印象的。彼自身に知性があり、優しく繊細な気持ちの持ち主なのを周囲は知っていき、今までの見世物小屋でいた人生からの変化があるが、生まれ持った容姿から、世間のはみ出し者として扱われる様は痛々しく、生々しい。その中での彼の言葉の重みも凄まじく、悲痛な叫びは心に響くものになる。外科医の優しさが招くものがありつつ、彼自身が見世物小屋の興行師のようになっている様は印象的でもある。彼が辿る数奇な人生は、温かさや優しさにも満ち、同時に哀しく切ないものになってます。
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