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エレファント・マンの1sseiのレビュー・感想・評価

エレファント・マン(1980年製作の映画)
4.0
カルト扱いされる事も多い作品だが、デヴィッド・リンチの作品の中ではかなり見やすい部類だとも思う
「エレファント・マン」として知られていたジョン・メリックの半生を描いた脚本ありきで当時まだ新進気鋭だったデヴィッド・リンチに話が回ってきた。それを持ってきたのがメル・ブルックスというのが意外だけど納得の繋がりで面白い

だから物語はストレート文芸映画として上質でありながらビジュアル面、演出面ではリンチ色が全面に出ているという最高のバランス

Mr.メリックのあまりに過酷な人生に寄り添おうとするも「結局自分は彼を見世物にしているのでは…」と自問自答するアンソニー・ホプキンスは流石の名演
人間不信から自分の居場所と心から信頼できる友人を見出すMr.メリックを演じたジョン・ハートの目と涙が何と美しいことか!

Mr.メリックが聖人として描かれすぎているきらいがあり、今ならもう少し良くも悪くも人間として描くバランスにいくのではとも思うが、そんなのは些細なこと
とても美しい映画だった
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