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育子からの手紙のqpのレビュー・感想・評価

育子からの手紙(2010年製作の映画)
4.5
 喜美子は結核性股関節炎の治療のために手術が必要となって入院しましたが、隣のベッドに大騒ぎをする少女の育子が入ってきました。他の人は迷惑する中で、その大変さを理解した喜美子と理解してもらった育子は手紙を通じて交流していきます。

 メールや電話ではなく手紙でやり取りすることに疑問を覚えましたが、20年くらい前の実話に基づいたお話だったことに気づきました。病人の家族の視点ではなく、全く関係ない第三者の視線で語られるのが興味深かったです。

 育子の強さと同時に喜美子の本当の優しさを見ることができました。それだけではなく、喜美子の家族の優しさもよかったです。押しつけがましくない優しさや強がりではない強さって本当に重要だと思います。暴れまわる生徒も含めて出てきた人に悪い人はいませんでした。ある意味実話に基づいているからそうなっているのかなと思います。

 階段を上り続ける喜美子が印象的でした。客観的に見るといい人すぎて喜美子の育子への行動に疑問を感じますが、喜美子も助けられていたのだなと実感できるシーンでした。シンプルな話でしたが、多くの人に関わろう、手を差し伸べていこうと思える良い実話を基にした作品でした。
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