おーつ

ニューヨーク・ニューヨークのおーつのレビュー・感想・評価

3.6
ロサンゼルスロサンゼルス(LA LA)『ララランド』の原形となっている作品。ジャズサックス奏者の男と歌手を目指す女が恋に落ちるが次第にすれ違い始めるという基本プロットとラストの展開はそのまんま『ララランド』に反映されており、舞台が西のニューヨークで、立場が男女入れ替わっています。

最後の最後でライザミネリの圧倒的な歌唱力で今となっては映画以上に有名な『ニューヨークニューヨーク』を歌うのが最大の見どころ。
この曲は最近だと『007スペクター』でボンドが009の車を勝手に運転する時に車内にあらかじめ搭載されていたのがこの『ニューヨークニューヨーク』でしたよね。笑

で、面白いかと言われると
自分の欠点を認めず、すべて何かのせいにして正当化しようとする男が主人公というのはスコセッシ作品でよくみかけるタイプなので「歌って楽しい映画」かと言われるとそうでもありません。
そしてこのデニーロは『タクシードライバー』の後なんですが、このキャラクターはハマっていないです。観客に笑いを取りに来る以前に、画面内でなんか変なことになっている感じが強い印象を受けました。

そして
ヒロインが「子供ができたの」というと
男が「あ、そうなんだ。うんだほうがいいよ。」
とか言ってたのに時間がたつと
「そんな子供うむんじゃねえ!
絶対俺は育てないからな!
一人で育てろ!!」
という、この妊娠によって人間関係が崩れていく展開もスコセッシ作品でよくみかけますよね。

で、またこれが上映時間が長い。。。
160分はいくらなんでも中盤は長さを感じてしまった。
スコセッシは長くても面白いイメージがありますが、これは失敗していると思います。

私のように『ララランド』予習、復習のためにこの作品を観る方がたくさんいると思いますが、「結局のところスコセッシの映画」という事を頭に入れておいてほしいと思います。
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