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スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐のutakoのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

クローン大戦勃発から3年。共和国と対立する分離主義勢力との戦闘が泥沼の一途を辿る中、アナキンは戦線で活躍するも自身の心の弱さに苦悩する。そして、シスの暗黒卿にいざなわれダークサイドへと身を落としていく。

「最強のジェダイ」と期待を一心に背負いながら、優しさが仇となりシスの誘惑に負け脆く崩れ落ち悪になるって最高の設定なんじゃないかと思います。ジェダイの希望として見出された少年が、ちょっと生意気ながらまっすぐで爽やかな青年に成長するも、心の弱さに負け陰鬱に闇堕ちしていく。大事にされ甘やかされた結果なんでしょうかね…どこか甘ったれた印象と人並み以上の野心、そして思い通りにならない葛藤とつき纏う不安。ヘイデン・クリステンセンのアナキンが美しくて絶品な壮大で完璧な悪の誕生。
一人の青年の成長譚、禁じられた恋、師弟愛、ジェダイとシスの因縁…何度も観て理解深めるごとに面白いなぁ。今更言うまでもないけど大作で名作。不朽のスペースオペラだなぁとあらためて。

愛した女性を護りたい一心で力を得ようと欲をかいた結果、パドメを失うことになったのって最後のダメ押しにもなっていて設定の凄味を感じつつトラウマレベルで辛い展開ですね。アナキンは父という存在がなく育ってるので、その影響って大きいのだろうか?なんて考えてしまった。
パルパティーンことダース・シディアスが、アナキンを口説くシーンに結構な尺が割かれてる。弱味へのつけ入り方がエグいです。シスの帝国を創るという長年の野望が叶いそうな局面…悪いおじいちゃんの必死さを感じたりしました(笑)

今回はオビ=ワンにも注目して観ましたが、彼も師クワイ=ガン・ジンの遺言で弟子を取ったこともあり、まだ未熟だったのかも知れない。アナキンに対して厳しい事を言いながら、押されると弱い部分も。苦楽を共にした友であり、育て上げた弟子を自らの手で討つことになった結末は、師としてこんなに虚しいことはないはずだなと。

『シスの復讐』ではオビ=ワンに破れ息絶え絶えなアナキンがシスに回収、改造されひっそりとあのお馴染みの黒ずくめ姿のダースベイダーとして復活・誕生してますが、アナキンは死んだと思っているオビ=ワン。僅かな生き残りは居るものの、ジェダイの時代の終焉で幕を下ろします。
2022年新作ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』 (2話まで視聴しましたが)では、ジェダイが一掃され帝国軍支配下の世界で、ジェダイとして生きる事を捨て庶民に紛れ生活する中、自分の手で弟子を殺めたことをいまだ消化しきれず悪夢に見る…そんな始まりから2話目、アナキンことダースベイダーが生存している事を知るオビ=ワン。シスの復讐でオビ=ワンへの猛烈な恨み節を吐いたアナキンのシーンも相まって師弟の複雑な心境が描かれそうで、めちゃくちゃ楽しみです。

アナキンとパドメの愛の結晶である双子レイアとルークがバラバラに里親に出され、どう育ったかもドラマに描かれていきそうですが、せっかくなので、この流れでep.4『新しい希望』もおさらいしようと思います。
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