りふぃ

パンズ・ラビリンスのりふぃのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
4.0
私はハッピーエンドだったと思った。

過酷な状況下では空想の世界に現実逃避する子どもがよくいるそうだが、恐らく本作の主人公オフェリアもそのうちの一人だ。
だが、空想の何が現実に劣るというのだろうか。
実際、彼女の現実は最悪だ。ドン底と言っていい。
彼女は母親の連れ子で、義父はもうすぐ生まれてくる弟にしか興味を示さない。母体すらどうでもいいと考えている。
出来ることなら逃げ出したいと考えている彼女。
かと言って、逃走する手段もなければ内紛を生き抜く生活力もない。
……詰んでいる。
オフェリアの心を慰めてくれる存在は母親、下女のメルセデス、そして妖精やファウヌスだけ。

私としては、最終的に現実と決別し、空想の世界へ笑って旅立てたのならそれはオフェリアにとってのハッピーエンドだったと言えると考えている。
傍から見たら救いようのないお話でも、それはあくまでもオフェリア以外からの視点でしかない。
まあ、私もオフェリア以外からの視点でしかないし、結末をどう捉えるかは一人ひとりに委ねられているのだろう。

ダークファンタジーは大好物だが、グロいのは積極的に観に行くタイプではないため、何度も観たいとは正直思わなかった。
ただ数年後、もし私がドン底の気分になったら観たいと思うかもしれない映画だ。

本当にグロいので、耐性がない人は観ないことをオススメする。
逆に、グロいのがイケる口だったりダークファンタジーバチコイ!って方にはハマるのではないだろうか。

あと、ファンタジーと言ってもダークファンタジーなのでハッピーエンドは期待しないほうがいい(冒頭でハッピーエンドだと思うと言っておきながら)。
先述したように、所謂メリーバッドエンドなので、、、
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