YukiIrikura

火花する恋のYukiIrikuraのレビュー・感想・評価

火花する恋(1923年製作の映画)
3.8
原題Le brasier ardent (燃えさかる炎)。ソ連の樹立により亡命したロシア人達が設立した映画会社アルバトロスがフランスで製作した作品。クレショフ効果でお馴染み、ロシアの名優イヴァン・モジューヒンによる(監督、脚本、主演)モジューヒンの為の映画としかいいようがない。彼の七変化が見どころ。

一人の女を巡る三角関係なのだけれど、夫もモジューヒン演じる探偵もあのパリピ女のどこに惹かれるのか分からない以外は面白かった。特に冒頭10分の夢の場面は幻想的で引き込まれる。

その後映画がトーキーに移行する中でロシア語しか流暢に話せなかったモジューヒンが活躍の場を失っていくことを考えると、『生けるパスカル』と並んで国際的なスターとして最盛期の作品かも。
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