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月給泥棒のjamのレビュー・感想・評価

月給泥棒(1962年製作の映画)
3.7
出世のためならどんなことでも
"月給泥棒"と言われないために


ラピュタ阿佐ヶ谷の特集は司葉子
…名前はもちろん存じているけれど、
お年を召してからのイメージしかない

相手役が私の好きなダンディ、宝田明とくれば観るしかないでしょう!


岡本喜八監督のサラリーマンコメディ
バーでホステスの司葉子を見染める宝田明に既視感…
あ、"グッバイリチャード"のジョニー・デップだ!
流れるように女を口説く
野心溢れる彼
裏口入学を斡旋する条件は自らの出世
…なかなか下衆なお話なのに、からりと憎めないのはさすが

そして、現代物を観るのは初の司葉子
特筆すべきは彼女の美しさ
気品のある整った容姿に
カラー作品であることに感謝しかない
七変化するファッション
特に空港に向かう彼女の着こなしは時代を越えて真似したいほど

もうひとつレビューに付け加えておかなければならない、ジェリー藤尾の怪演
架空の国のバイヤーという役どころを
ケレン味たっぷりに

他にも、主人公を取り巻くOL、
オフィスレディという言葉がぴったりの女性たちが
みんなキラキラ可愛らしくて魅力的


日本の経済が上向きで
サラリーマンはがむしゃらで
今見るとどこか滑稽
けれど
あの熱がなんだか愛おしくなる
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