jamさんの映画レビュー・感想・評価

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わたしの見ている世界が全て(2022年製作の映画)

4.0

人は決してひとりでは生きてはいけない

この世に生まれてから(いや、生まれる前から)様々な人の手を借りて育ち
身体も大きくなり、世の中に出て
お金を稼いで自立したとしても
日々、誰かに接して
誰かの力
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

4.0

まったく知らない映画との出会い。
これはシネフィルにとって"嬉しいこと"のかなり上位に入るのではないだろうか。

ちょっとしたきっかけで知ったその作品
内容を探る時、予告編からの情報は大きなものとなる
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

3.6

困りました。
Filmarks試写会に当選する=レビュー必須、
なのです…か、書かねば。

レビュー本編に入る前に、私自身の最近について。
映画はそこそこ観てるんです。映画館でも、自宅でも。
話題の新
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1640日の家族(2021年製作の映画)

3.9

子どもは忘れるだろうか?

幼い頃の記憶っていつまで覚えてるんだろう

そうっと振り返ってみれば
妹とお留守番中に床屋さんごっこしてざん切り頭になったことや
優しいおばさんの作るご飯
そして
母が亡く
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デュラン・デュラン:ハリウッド・ハイ(2022年製作の映画)

4.2

暮れゆく空に 
青と黄、二色のウクライナカラーにライトアップされたキャピタルレコードビル
彼方にはハリウッドサイン

空気を包み込むように流れるのは
"Ordinary World"


ロックの殿堂
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.3

「必要ない」

ブリジットが幾度となく言うその言葉が
おそらく、相手に、ではなく
自分自身に向かって宥めているように聴こえたのは
近頃の私も、仕事やプライベートで
同じように
「必要ない」と言う場面が
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.0

例えば、ふと目覚めた夜に
静寂に忍び込む言いようのない不安
頭の中から追い払おうと…すればするほど

そんな時は
掛け算九九の七の段を反対から誦じてみる
絶対に効果ありますよ!

台風がもたらす闇に怯
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.2

終わらないといいのに

つかの間、だからいいのかな

ヴァカンスとはフランス人がとる長期休暇…
じりじりと灼ける太陽の下?
それとも涼しく澄んだ山間地?


一夜の恋を追いかける、"若さゆえ"を体現す
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わたし達はおとな(2022年製作の映画)

3.8

それを言ってしまえば、身も蓋もないのだけれど。

みんな、自分を守るのに必死なんだな

一緒だと楽しい、側に居たい
そう思うことと、相手のことを受け入れて
愛することは、少し違うのかもしれない

前者
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.2

世代じゃない
曲は少し知ってる


エルヴィス映画化を知った時、正直な話
「またか」と思ったのは、近年乱発されてるアーティスト伝記映画の流れを思ったから
確かに素晴らしい作品も沢山あるし、何度も観たく
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大河への道(2022年製作の映画)

3.9

"井戸の底の民"から、"海の底の民"へ。

何のこと?思われますよね。
Twitterでの大河ドラマファンの呼び名なんです。
井戸の底、は"おんな城主直虎"
海の底、は"平清盛"


そもそも、どうし
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

そこに"うまれる"のは?

そもそも妊娠、出産には種の保存という大きな意味があるのです。男女が愛し合った結果、新しい生命を授かり、育み、時代を繋いでいく。
太古の昔から続いてきた神秘


枯山水庭園の
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ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)

3.9

ドンデン返し、間に合うか?

学生時代、しばらくの間だけれど結婚披露宴の会場でアルバイトしてました。
土日祝日、吉日には一日に二回、多いと三回のスケジュールが組まれたり。
その宴と宴の切り替えが"ドン
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

あまたの子どもたちと同じように
将来の夢を聞かれたバディが
目を輝かせて答えたのは

"サッカー選手になる
キャサリンと結婚する"


大好きな祖父母と一家で暮らすベルファスト
その地を離れてロンドン
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ライフ・ウィズ・ミュージック(2021年製作の映画)

-

世界は何色?

自閉症のミュージックにとって
その過敏すぎる聴覚故に
耳に飛び込む過剰な音
彼女を守るヘッドホンから流れるのは
どんな響きなんだろう?

感覚が過敏なのは聴覚だけではなくて
視覚も、だ
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シティ・オブ・ジョイ 4Kデジタル・リマスター版(1992年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

生きていれば逃げたくなることもある
その時をどう過ごすか

まさかインドのスラムで結婚式に出ているとは思わなかったでしょう?

ここに来て良かった、と言うようになるとは思わなかっただろう?


自分探
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次郎長三国志 第一部(1963年製作の映画)

3.6

"これを一緒に連れて行く"


ヤクザ稼業に身を落とし
諸国を旅する
その道連れは 愛しいあの娘の簪

清水の次郎長
なんとなくは知っているけれど
きちんと観るのは初めて

実在の次郎長の伝承を元に村
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ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”(2021年製作の映画)

4.6

「普通の5人のあんちゃんが、普通のままでどこまで飛べるか」

ニノが嵐について以前語った言葉を
このLIVE映画と単に言えない作品を観た後にじっと考えた


失礼ながら、彼らは本当に"普通"だ
容姿、
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

4.0

ひとりよがり、の意味をよく分からずに
自分一人で思い込んでいること、と思っていた


ところで私たちは
親、先生、先輩らから直接的に教えをうけ
たくさんのことを学んで成長していく
そうして、徐々に"自
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メイド・イン・ヘヴン(2020年製作の映画)

3.8

 月がきれいですね。

二人で歩きながら、何気なく呟く

それだけで伝わる人となら

それこそ、メイド・イン・ヘブン



愛する夫と娘を残して
咲子さんは天国で30年待ち続けた
それほど焦がれた夫、
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リスペクト(2021年製作の映画)

4.2

どんな人にもそれぞれの人生、それぞれのドラマがある

側から見たら波風なく順風満帆でも、本人にとっては波瀾万丈ということも



リーことアレサ・フランクリンのそれを
146分で表したこの映画を観て思
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燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.9

あふれるほどの情熱を 
胸に抱きしめて
歩き始めよう
道に迷った時でも逃げ出さない強さ
誇れる自分でいよう


スパンコール煌めく衣装に身を包み
スポットライトを浴びて歌う彼は
まごうことなきアイドル
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.0

衆目の前で、赤裸々な質問に答えなければならない
普通ならば耐えがたく、そこに来たことさえ後悔してしまいそうであるのに
マルグリットは凛として答えた


…思い出した
私も裁判所で、証言台に立ち
被告と
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恋の病 〜潔癖なふたりのビフォーアフター〜(2020年製作の映画)

3.8

何も変わらない
何も変わらない
何も変わらない


それはおまじないの言葉
たとえどちらかの"病気"が治ったとしても
二人の繋がりは 何も変わらない

そう誓ったけれども


よく言われる
カップルが
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テーラー 人生の仕立て屋(2020年製作の映画)

3.9

私の実家の洋服ダンスには、ハンドメイドの紳士用スーツが数着、息を潜めていた

サラリーマンではない父のために
亡母が仕立てた物だということを聞いたのは祖父の家

そこでは黒く艶やかな足踏みミシンが
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モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

それでも、朝は来る

女性の身体の中心、子宮で
十月十日 小さな命は育まれる
日々少しずつの変化を受け止めて
こころも支度を整え
そうして、母になる
それは本来ならば、
周りの全てから祝福される奇蹟な
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サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

What is love?

よもやPGの口からそんな言葉が出ようとは…


子どもの頃、毎週欠かさず戦隊モノ、ライダー、
ウルトラマンを見ていた人ならば
もれなくその懐かしいテイストを感じ取れるだろ
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ヤクザにカチコミかあ…
一回だけだよ
二人で生き残ろうね
帰ったらケーキ食べようね


"組織"の寮に入り、JKながらも殺し屋として活躍してきたちさととまひろ
高校卒業=自立、で強制的に二人暮らし、
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少年の君(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

涙を流すのはどんな時だろうか

悲しい時や苦しい時、辛い時
怖い時も自然と流れてしまうかもしれない

この物語の主人公チェンも幾度となく涙を流した
自殺した同級生の亡骸にそっと上着をかけた時
そのこと
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.2

 大上から日岡へ


わしらが護らねば
悪徳刑事そのものに見えた大上の真意
暴対法が施行される以前のヤクザとそれを取り巻く世界
ヤクザに迎合するのではなく、警察として市井の人々のために

大上の少々手
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ショック・ドゥ・フューチャー(2019年製作の映画)

3.6

今年もやってきました「カリテ・ファンタスティック/シネマコレクション」略してカリコレ。
毎年夏に新宿シネマカリテで開催されるまあまあマニアックな映画イベントです。

今年のオープニング作品であるこちら
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.0

親友、と言えど
それは決して対等な関係を意味する言葉ではない

育った環境
容姿、才能
それらを基に形づくられるその人となり
違うからこそ引き寄せられ、惹かれ合い
そして羨む

13歳で"初めて選ばれ
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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

4.2

血が騒ぐ、とはまさに

幼い頃から触れてきた幾多のアニメ作品の中で
最も影響を受けたものが、ガンダム。
さすがにリアルタイムではないけれど、ファーストは何度も繰り返して観ていて、各話のタイトルを誦じる
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のさりの島(2020年製作の映画)

4.0

素顔、とはよくいったもので
意識していない"素"の顔こそが
その人そのものをあらわしている気がする

天草にたどり着き、目にした看板の番号に電話するのは"オレオレ詐欺の男"だし
鍵のかかってない料金箱
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.4

夢の実現を描くために足りなかったものがある


私たちが映画を観て、わくわくしたり感動するのはこういうことなんだな…

例えば、この映画の主人公、映画オタクのアシスタントプロデューサー、ジーン(なんと
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ダーティ・ダンシング(1987年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

"踊れる身体"への憧れ
どんなに努力しても、私には決して手に入らないもの
音を捉え 音に乗り
ある時は軽やかに ある時はしっとりと


The night we met I knew I needed
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