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華麗なるヒコーキ野郎のsatchanのネタバレレビュー・内容・結末

華麗なるヒコーキ野郎(1975年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

最後に、ウォルド・ペッパーと名前が出て、1895~1931とテロップが出たので、てっきり実話だと思いました。ロバート・レッドフォードとロイ・ヒル監督は、『明日に向かって撃て』『スティング』でもタッグを組んでいるので、3作目のコンビ作品らしいです。私は3作品の中で、これが一番良かったです。第一次大戦後、元空軍パイロットたちが全米を巡って、曲技飛行を披露し、収益を得ている様子が描かれています。現代でいう航空ショーみたいな感じかな。単葉機、複葉機、三葉機などの昔の飛行機が出てきて、しのぎを削って飛行機開発していたんだろうなと思いました。『アビエイター』の時代より少し前ですね、きっと。作中に出てきたCAA(民間航空局)は、調べてみると、イギリスの航空規制の専門委員会で1972年設立となっていたから、この作品の時代や舞台設定には合わないように思いますが、なんらかの規制委員会が遊園飛行を禁じたということですね。

飛行中に翼の上に立って見せるなんて、全くもって信じられない、ドアホ行為のように思えますが、この時代の映画だと何故かアリかなと思ってしまう。この時、翼から落下してしまう女性、とても魅力的で、スーザン・サランドンによく似ている女優さん!誰かと思えば、スーザン・サランドン本人でした。こんな若き日の作品があったなんて!年齢差は10歳あるけれど、ロバート・レッドフォードと同時代の作品に出ているなんて!

名パイロットのペッパーも、ドイツのケスラーも、ケガすることも、命も惜しくないのではないかと思える行動にハラハラしました。『アビエイター』のハワード・ヒューズもそうでしたが、飛ぶことに魅せられていると、こうなってしまうのでしょうか。この映画で良かったのは、ペッパーとケスラーの国境を越えた友情です。大戦中には、撃ち落とそうと戦った敵同士だったけれど、操縦や戦闘技術は互角だったと認め合い、お互いに忘れられない宿敵となっていて、心に残っているライバルというところが素敵。再会して、あの時の戦いのやり直しをして、敬礼する。う~ん、オリンピックやスポーツ競技を見た後の爽快感に似た、世界のトップ同士の友情を魅せつけられました。
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