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鉄人28号 白昼の残月のbluetokyoのレビュー・感想・評価

鉄人28号 白昼の残月(2006年製作の映画)
2.9
のっけから敵ロボットに苦戦する正太郎と鉄人28号。そこに颯爽と現れた正太郎とよく似たショウタロウ兄貴、あっという間に敵ロボットを粉砕する。
この男、父親の金田博士の養子だったそうで、十年ぶりに戦地から戻ってきたのだ。
いきなり帰ってきた。住むところは、そうだ、共潤会アパートにしよう、ということで決まる。管理人の萱野月枝さんも、もうぼろくなっていて誰も住まないので、と歓迎する。
一方、東京では、廃墟弾という不発弾に悩まされている。ショウタロウ兄貴、その場所は鉄人28号が知っているよ、と言う。
実際、鉄人28号が自動で廃墟弾を掘り出すのであった。自動運転なんて便利だ、でも、なんか変、と正太郎は思ったに違いない。
もう一つ、一方、残月と名乗る復員テロリストみたいなのが出現し、正太郎を狙ったり、弁護士を殺害したりする。
そんなことをやっているうちに廃墟弾をたくさん身に付けた大鉄人が現れる。
実は、あちこちに埋められていた廃墟弾をみな掘り出すと、大鉄人が現れるらしいのだ。これはもう、日本にはコントールは不能ということで、ベラネードがやってくる。
共潤会アパートにやってきた正太郎は、なんと、自前の操縦器を持っているショウタロウ兄貴を見付ける。なんだ、鉄人28号は自動で動いているのではなかったんだ、と納得する正太郎。
そこに、さらに、復員テロリストの残月も現れる。またさらに、ベラネードのクロロホルムという悪役も来て銃撃する。弾は復員テロリストに当たってしまう。復員テロリストの正体は管理人の萱野月枝さんで、しかも、ショウタロウ兄貴の母親で、さらに、金田博士の妾だった。
だからどうした、という感じの複雑さである。結局、ショウタロウ兄貴の目的がわからない。
話が複雑になり過ぎていて、後半は、その関係性をなぞるだけに終始してしまっている。
おそらく、復員テロリストは残月と名乗り、萱野月枝は妾故に残月であり、また、ショウタロウ兄貴も残月というあだ名だったわけで、重なってしまう。とすると、当初、復員テロリストというのは、ショウタロウ兄貴だったのかも。
とはいえ、映像はダイナックであり、創意に満ちて迫力がある。今川監督による「ジャイアントロボ 地球が静止する日」も面白かった。劇場映画が、この一作だけというのは信じられない。十作品ぐらい作っていてもおかしくないほどの貴重なクリエーターだと思うのだけど。
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