てっちゃん

鉄人28号 白昼の残月のてっちゃんのレビュー・感想・評価

鉄人28号 白昼の残月(2006年製作の映画)
5.0
今川泰宏監督による横山光輝の漫画作品『鉄人28号』のTVアニメ版(2004年)を劇場映画版した作品。世界観はTV版とほぼ同じですが、キャラクターの設定の改変等で独立した作品に仕上がっています。

鉄人28号生みの親・金田博士の息子である正太郎の前に現れた、もう一人の「ショウタロウ」、さらに「鉄人28号=正太郎」を加えた3人の「正太郎」の葛藤劇。そこに傷痍軍人、特攻隊の生き残りなどが絡み、戦争の爪痕をより色濃く活写した作品となっています。

TV版もそうですが、よく2000年代にこれができたなあ、と感心します。(ドラマ「怪奇大作戦」や「東宝怪奇人間シリーズ」のようなテーマ性)音楽は、伊福部昭の「シンフォニアタカプーラ」や「兵士の序楽」の流用ですが、これもまたあの当時の空気感の再現のような気もします。(どうしても「ゴジラ」を連想させますが)
「太古より繰り返される破壊と修復」
「抗うことのできない時代の罪を見つめる眼」
「戦争があのままだったら鉄人は僕のものだった」
「なぜ廃墟が美しく見えるのかって?」
「父さん、母さん、今度こそショウタロウは戻って参りました」
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