経年変化

水俣 患者さんとその世界の経年変化のレビュー・感想・評価

水俣 患者さんとその世界(1971年製作の映画)
4.6
167分完全版鑑賞。
方言の強さからその言葉が聞き取れなくとも、胎児性患者が何を伝えたいのか理解できなくとも被害者らの喜怒哀楽は十二分に伝わる。安易に字幕をつけようものならこの作品の存在意義は一瞬にして損なわれてしまうだろう。ここに刻印されているのは“怨”の一文字。たかが一文字、されど一文字。海と共に生きる彼等を捉えたラストショットはその声なき決意宣言を代弁しているかの様でただ震えるしかない。

土本典昭監督作品特別上映@ユーロスペース