やくざ組織の末端でダフ屋をやっているチンピラ川地民夫が、雨の夜に声をかけた女、中原早苗には無実の罪で捕まった父親がいた。川地は中原に協力し事件の目撃者探しを始めるが、それが本物のアウトローへの入口であった。
川地の不良少年物と日活アクションを足した作り。暗い過去を背負って登場する裕次郎やアキラの映画の、その端折られた過去を、川地主演でやっているようなSPで、これで川地がムショを出て、社長夫人にでもなった中原早苗と再会すれば、日活ムードアクションとなる。映画のラストカットはムードアクションそのもの、そこでの川地はほとんど裕次郎である。
淀みなく達者に語られた映画で、序盤の川地・中原が見せる路地裏の叙情的青春や、目撃者探しの過程で描かれる川で生計を立てる人々の生活描写に味がある。ロケ撮影が良い。チンピラ仲間の郷鍈治、上着の着ようが変で楽しい。