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月曜日のユカのsonozyのレビュー・感想・評価

月曜日のユカ(1964年製作の映画)
4.0
1964年、加賀まりこ主演のモノクロ映画。中平康監督。
まずこのタイトルとビジュアル、何となくヌーベルバーグなテイストでいいですね。

ヨコハマに実在したという伝説の「ユカ」の物語をファンタジックに描いた作品とのこと。

舞台は海外からの船が寄港し賑わうヨコハマ。(敢えてカナで。笑)
冒頭、英語・中国語・スペイン語の音声と横に流れる日本語字幕でヨコハマを紹介するというユニークな導入。

あどけなさが残るコケティッシュなユカ(18歳)は、ヨコハマのナイトクラブで働いている。

「男を喜ばせるのが女の生きがいよ!」という母からの教え通り(笑;)、パトロンのパパ(加藤武)と、恋人の修(中尾彰)がいる。
教会に通うクリスチャンなのに、気分次第で誰とでも寝ちゃう。ただし、誰にもキスはさせないのが信条。
修は、そんなユカの状況を知りながら付き合っている。

ある日、パパが自分の娘にお人形を買って幸せそうにしているシーンを目撃したユカ。
「次の日曜に私も同じことをしてもらう。そのためにパパに何だってしてあげるの!」と修に告げると、日曜は家族サービスデーだから無理だろと諭され、「じゃあ月曜日にするわ。」と。→これがタイトルの意味。

月曜日、なぜか母同伴で(笑)、パパに会いにホテルのロビーに向うユカだが、パパは横浜に停泊中の外人船長と重要な商談中で、デートなど無理な状況。

翌日、ユカの部屋に来た修は、もうパパと付き合うのはやめて、俺が稼ぐから一緒になろうと伝え、お金の不安を感じつつユカもその気に。
そこにパパも来てしまい、修は慌てて窓の外へ。

パパはプレゼントの人形を渡し、商談を成立させるためにあの外人船長と寝てくれないかとユカに懇願する・・・パパが喜ぶのならとOKしてしまうユカ。
OKしたと知った修は部屋を飛び出し・・・

独特なセリフのやりとり、静止したような長回し、コマ落ち、キリスト関連の映像インサート...など、様々な技法も。

ユカが入れ込んでいるパパがなんで加藤武?(単なるオッサン!笑)なのと、若き中尾彬が今と全然違うのも面白いんですが、とにかく、当時20歳前後、これぞ"和製BB(ブリジット・バルドー)"な加賀まりこの魅力を満喫出来ました^^
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