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美女と野獣のmiporingoのレビュー・感想・評価

美女と野獣(1946年製作の映画)
3.3
何十年も昔に「え、コクトーの映画!」と思って観たのですが、コクトーだから前衛的で難解なのかと思いきや、わかりやすいファンタジー映画だったのでちょっと期待とは違っていました。でも、CGなしの1940年代の映画と思って観るとすごいです。モノクロなのに質感の美しさが素晴らしく、レースやタフタなどの布や、パールやダイヤなどの宝石の美しさが映えます。それとやはりあの腕の燭台、魔法の煙みたいなの、人の顔の彫刻の目が動くところなど、やはりとてもインパクトがあります。
でも最後、なぜとつぜん魔法が解けたのか、ちょっとよくわからなかった。アヴナンが野獣になったから入れ替わった?ベルは涙を流したけど「愛してる」とは言ってないし結婚を受け入れるセリフも言ってないよね?で、なんで見た目が元の王子様じゃなくてアヴナンになるの?空を飛んで王国に行くっていうことは、ここは王子様のお城じゃなかったんだ、とか、えええってなって終わってしまった。
ベル、お人よし過ぎ。あんなにかまってちゃんな野獣、かわいそうだとは思うけれどやはり愛は芽生えないよなー、みたいな感じなので、見た目ピュアで幼い感じのベルだとたぶんハマり過ぎで、ベルのあの高貴な美しさがあっての完成度だったのかも、と思った。
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