このレビューはネタバレを含みます
1965年製作公開。脚本橋本忍、国弘威雄。監督長谷和夫。
思わせぶりなタイトルだけれど、そう思わせているだけです。主人公内田良平が情人に自分に合った口紅を付けろよ、と言う。それはとあるところで見かけた桑野みゆきの美しさに触発されたことによる言動。
大島渚作品に出ていた桑野みゆきは魅力的だったけど、本作の大人びた雰囲気を出そうとしている彼女に魅力を感じなかった。顔が幼くて平面的だからかもしれない。主人公が、超絶美女にとろけてしまう雰囲気がないのです。
橋本忍と国弘威雄の師弟が偽ドル紙幣事件をモチーフに殺し屋、男女の情愛、邦貨詐取などを散りばめ物語を作る。内田良平が何ゆえに偽ドルに執着するのかの説明をラストにするのだが、そんな必要があったんだろうか。もはや、かんがえることを許さぬスピーディな進行で観せておいて、最後の最後にそんな理由を知ったところで、はぁ、となります。
偽ドル両替かぁ、凄い時代だったんだなあ。