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緋牡丹博徒のryotaのネタバレレビュー・内容・結末

緋牡丹博徒(1968年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

本当に面白いです。コンプラ違反しまくりの昭和の映画ってなんでこうも熱くて素敵なんだろうと、改めて思います。

人気シリーズ第一弾ではありますが、もうここに全て詰まってる感じです。お竜姐さんがなにしろかっこいいんですよ。特別に強いとかそういうことではなくて、女性らしい優しさがかっこいいんです。どこまでも子分を大事にするし、信念を曲げることがないんですよね。そんな姐さんを慕う子分たちが、彼女に憧れ、彼女のためなら死んでもいいとさえ思うその関係性が素敵なわけです。子分たちは姐さんを女として見ることもなく、純粋に素敵な女性として慕うってのが初心でもあるし、無骨で可愛くてかっこいい。それと、姐さんが高倉健と対峙するところ、下からのアングルがカッコ良すぎて感動です。いいですねえ、あの目つき笑。傷ついた子分が死んでいく時、子守唄歌ってあげじゃないですか。子分は彼女と過ごした日々を回想しながら死んでいくわけで、なんとも切なくてそれでいて暖かいシーンで大好きです。

高倉健はやっぱりスターですね。お竜に人殺しをさせたくないと、自らが体を張って元兄弟分を斬るわけですが、お竜がカッコよく殺陣をやって殺すよりこっちの方がなんかグッときます。男の優しさ滲み出すぎ。

今現在って、コンプラもそうだし男女共同参画とかいうけど、この映画見ると女性の地位って女性次第では昭和の時代でも確立してたんじゃないかと思います。乱暴ではあるものの、そんな時代があったことは忘れたくないですね。
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