ユカートマン

ブルーベルベットのユカートマンのレビュー・感想・評価

ブルーベルベット(1986年製作の映画)
4.1
平穏に暮らしていた主人公が野原で片耳を拾ったことをきっかけに探偵ごっこの真似事をしてるうちに社会の闇を見てしまい巻き込まれてしまう犯罪サスペンス映画。

最近ヨーロッパ映画史の授業でネオレアリズモについて勉強してるのですが、イングリッドバーグマンとロベルトロッセリーニの禁断の恋や、その二人の間に出来た子どもがイザベラロッセリーニということを学び、また他の授業で「スラヴォイジジェクの倒錯映画ガイド」という英語が下手なユーゴ人の哲学者のDVDを観せられ、ガスを吸いながら行われる赤ちゃんプレイが衝撃的だったので興味を持ち鑑賞。

ジェフリーのパパが庭で水撒き中に倒れ、カメラが芝生の中へ潜っていくシーンはキャロルの冒頭の通気口と同じ。見えないところでこんな世界があるんですよ、という時によく用いられる手法。デニスホッパー演じる悪党フランクのまじキチっぷりは映画史上最恐。官能的で最高にお耽美なフィルムノワール。こんなエログロで息つく暇もないスリリングなカルト映画の中で唯一の安らぎでもあるサンディとジェフリーの車の中でのロマンチックな会話が気に入った。こんなにカッコいい映画は久しぶりに観た。
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