浮浪者

オルエットの方への浮浪者のレビュー・感想・評価

オルエットの方へ(1970年製作の映画)
3.4
品性のかけらもないことが民衆なのだという、侮り。品性のかけらもないことが民衆なのだという、圧倒的事実。睥睨と事実のバッドマリアージュでしかない時間は、フィクショナル空間すらも、やらせドキュメンタリーへと堕落させてしまう重力が生まれてしまうものなのだなあ、という面映さのみ残存する。

これは幾分思い込みが過ぎる見方だけど、ロジエ映画の持ち味である「うざさ」は、「民藝」を好きになり始めた人間が一番最初に陥るような病が、全て内包されていることに起因してるのだと思えて、圧巻ではある。
浮浪者

浮浪者