すず

サイコのすずのネタバレレビュー・内容・結末

サイコ(1960年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

論理性、演出、セリフ、演技、どれを取っても良いところの多い映画。

【よきロジック】
●警察沙汰にしない理由...姉のため(犯罪者になって欲しくない)

●犯人を捕まえるのが、恋人と妹になる。ミステリーであると同時に仇討ち。「お前たちに捕まえて欲しい!」というキャラに捕まえさせてる。

恋人と妹がモーテルに向かうためには、警察沙汰にせず、しかもモーテルを突き止める必要がある。
そのために探偵が登場して、ノーマンの矛盾を暴き、情報を引き出し、それをライラ達に伝える必要がある。

【よきセリフ】
「幸せを買うんじゃない、不幸を金で追っ払うのだ」

【よかったシーン】
●シャワー室の場面。殺されたマリオンの瞳のドアップ。そこから、カメラを捻るように引いていく。浴槽から身体を乗り出し、床に左頬を当てる形で突っ伏している。死体は「モノ」だ、ということを印象付ける名シーン。

●沼にマリオンを車共々沈めるシーン。途中までブクブクと音を立てて沈んでいった車がピタッと沈まなくなる。やがて再び沈み始めて完全に車は飲み込まれるのだが、その時のノーマンの顔は最高。爪を噛む感じが、精神的に狂ってるヤツのそれなんだよなあ。噛み締めた時の顎関節の動きがめちゃくちゃダイナミックで、異常に力が入ってることがわかる。

●中古車屋のシーン。ずっと通りの向こうに警察官がいる。ただそれだけで、めちゃくちゃ緊迫感が出る。


【ノーマンと母の関係性】
なんかすごい複雑でまとまらない。

母の証言を踏まえた精神科医の解説....「母親への嫉妬」が元々ノーマンにあった。故に、母と愛人を殺した。そして、内面化した母はノーマンへの嫉妬を抱く。おそらく、あくまでノーマンの作った母、であり理想の母だから。それが故に、マリオンに嫉妬した母は、マリオンを殺す。

独房で独りごちる母....「息子が片付いた、すべて息子がやったこと」まったく嫉妬という感じではない。

わけがわからん。わかる日が来るといい。
すず

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