Joker

サイコのJokerのネタバレレビュー・内容・結末

サイコ(1960年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

観る前のイメージはサイコパスなストーカーに追いかけ回されるサスペンスな感じかなと思ってたけど、実際には緊張感や不安を煽るサスペンスではなく、最後にサイコパスの実態が一気に浮かび上がるホラーな感じだった。

序盤で警察に職質されたり、車を購入する際に怪しまれたり、大雨で対向車とぶつかりそうな気にさせたたりと最初から緊張感を張っていく構成が良かったし、途中でヒロインが死に、主役が別の人に移る構成も画期的だった。

ノーマンがヤバいやつなのは、夕食の時の会話で垣間見ることが出来るけど、どこまで深刻なサイコパスなのかは最後になるまで分からなくて、最後に一気にそのサイコパスさが分かった時はゾッとした。

シーンで言えば、シャワーのシーンもそうだけど、アーボガストが階段を登った時に急に刺されるシーンが一瞬だがものすごく怖かった。

なんと言っても1番怖いのが、人格が崩壊した殺人犯が何事もないかのように平然と社会の中で商売を行なっているところだと思う。どんなに不審な人との関わりを避けていても、向こうがお店を経営しているとなると必ずしも避けることが出来ないし、ましてマリオンのように一方的に好意を持たれ、そして殺されるとなると、いつ何処でサイコパスに殺されるか分からない気がして、ものすごく恐怖を感じる。

当時にしては綺麗なショットが多く、撮り方もとても画期的だと感じた。
少し物足りなさを感じる所もあるが、それでもストーリー構成の斬新さ、恐怖心を煽る音楽、異常心理の本格的な取り組み、そして画期的な撮影方法と当時にしては斬新かつ完成度が高く、60年前の映画でオマージュや元にする映画も多いと思うが、今観ても古さや典型ぽさを感じず存在感を放っている作品だと思う。

有名なのがシャワーのシーンだが、自分はそれに以上に最後のシーンがこの映画の肝だと思う。
最後のノーマンの不気味な顔が頭から離れなくなってしまう…



http://www.hananoe.jp/movie/kantoku/kantoku073.html
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