福福吉吉

魔界転生の福福吉吉のレビュー・感想・評価

魔界転生(2003年製作の映画)
2.0
1638年、キリシタンの指導者であった天草四郎時貞(窪塚洋介)は、島原の乱により徳川幕府の軍勢に殺される。その後、徳川家光の治世において野心と不満を持っていた紀州藩主の徳川頼宣(杉本哲太)の前に死んだはずの四郎が現れ、頼宣を天下取りへと導き、徳川軍同士の戦いを起こそうとする。一方、柳生十兵衛(佐藤浩市)は紀州藩の不穏な動きを察して行動を開始する。

リメイク元「魔界転生」(1981年日本製作)鑑賞済みです。

ストーリーが少し雑で分かりにくく思いました。せっかくの「魔界」という世界観を上手く表現できておらず、曖昧にしているように感じました。起点となるべき天草四郎時貞が魔界の力を得て復活するシーンが無く、謎のまま突然、徳川頼宣の前に現れているため、「いつ」魔界の力を手に入れたのか不確実のまま話が進み、消化不良な感じがしました。
また、魔界の者たちを抑える役割の柳生十兵衛の陣営もあまり際立っておらず、ストーリーの繋がりが無いまま次々と進んでいったので理解しにくく感じました。

一番の問題が天草四郎時貞役の窪塚洋介の演技が全く合っていないことです。本作では妙に棒読みと気力の無さが時代劇の中で浮いていました。他にも宮本武蔵役の長塚京三も合っていない気がしました。

四郎は不満のある人間に魔界の力を与えまわるのですが、嫌なサンタクロースにしか見えなかった。徳川幕府打倒への布石のはずなのにあまり役に立っていなかった。

本作ではCG込みでアクションシーンや体の不気味な変化を描いているのですが、CG丸わかりのため、妙に冷めてしまいました。これは2003年当時の技術なので、今観るとチープに見えるのは仕方ないと思います。

本作はあまり面白みを感じることができませんでした。

鑑賞日:2022年12月13日
鑑賞方法:BS/CS 時代劇専門チャンネル
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