このレビューはネタバレを含みます
競輪を題材にした映画を鑑賞するのは、西村昭五郎『競輪上人行状記』以来。監督は前田満州夫で、プロデューサーは水の江瀧子、撮影は間宮義雄が担当している。
組長の姐さん役を演じる渡辺美佐子は、八百長選手の川地民夫に、会社員・藤村有弘はそんな彼女に人生を賭ける。映画はアメリカ人男性と日本人女性の英語の会話から始まり、競輪が"人間に賭ける"珍しい競技であると説明される場面があり、この発想は興味深い。
映画はシネマスコープの余白を生かした画面設計や真俯瞰の多用、動きのあるカメラワークが斬新で良かった。立ち小便ロングショット。また、2人の濡れ場シーンではロダンの「地獄の門」とグレゴリオ聖歌がオーバーラップされるアヴァンギャルドな演出もあった。
紀伊國屋書店、ラーメン、雨。
渡辺美佐子の太ももに松の木のTATTOOあり。