ワンコ

アバターのワンコのレビュー・感想・評価

アバター(2009年製作の映画)
5.0
【多様性】

※ 3Dリマスター版と同じレビューです。

今回の3Dリマスター版のリバイバルにあたって、エンドロールに新作「ウェイ・オブ・ウォーター」の特典映像が映される。

この「アバター」でも、進化の多様性はパンドラのナヴィの多様な進化として描かれていると思うが、ガラパゴス諸島の島ごとに異なる進化を遂げたリクガメやイグアナ、場合によってはウミイグアナを見るまでもなく、僕たち人間自体も、肌や目の色など気候や環境に合わせた進化をしていて、この作品は、人間の飽くなき欲求や環境破壊だけじゃないところにも思いを馳せられる作品なのだと改めて考えた。

自然淘汰という言葉があるが、皆さんは、性淘汰を知っているだろうか。
環境に適した淘汰以外に、モテるか否かで淘汰された人種が存在しているという説だ。
端的には、金髪で青い目、身長の高い人が多いスウェーデン人や、中米赤道近くにあって肌の白い人種がいること、南極に近いのにも関わらず肌の色の黒いアボリジニーなどは性淘汰の結果だとする説があるのだ。

本当に世界は多様だ。

プーチンは、民主主義という欧米の価値観を押し付けるなと主張するが、民主主義こそ多様性を内包する考え方だ。

そして、多様な世界は個別に、別々に存在しているのではない。

環境や自然を共有しているのだ。

この作品では、植物の根を通じて生物が連携していると表現されているが、僕たちの地球だって大気や海や大地を共有して繋がっていることは確かなのだ。

名前は失念したがプロジェクトのリーダーが、「これで終わりじゃない」と言うが、背筋が寒くなる。
パンドラに侵攻した人間が敗れたように、ウクライナ戦争が早く終わってくれたら良いなと改めて思う。
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