クロスケ

アバターのクロスケのネタバレレビュー・内容・結末

アバター(2009年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

個人的には宮崎駿の『もののけ姫』からの影響よりも、アメリカ映画の伝統的な西部劇の趣を色濃く感じました。その中でも、スティーブン・ラングの肉体が持つ活劇性に心躍ります。

囚われの身となっていたはずのジェイクたちが、まんまと牢獄を抜け出し、戦闘機に乗り込んで逃げ出そうとする瞬間、彼は防護マスクなしでは命に関わる大気環境下にある戸外へとタンクトップ一枚だけを着た、裸同然の姿で勢いよく飛び出し、飛び立とうとする戦闘機に向かってマシンガンをぶっ放す。
また、クライマックスの大戦闘シーンでは、アバターの姿となったジェイクを確認するや、またもや戦闘機のハッチを開けて、戸外に上半身を剥き出しにした状態でジェイクの攻撃に応戦する。戦闘機を降りると、操縦席と一体化した巨大なロボットに乗り込み、ネイティリの股がるこれまた巨大な肉食獣と互角に闘う。ここでも彼は操縦席を覆っていたフロントガラスを自ら破り捨てて、その体を大気に晒すのです。

生身の地球人であるはずなのに、自分より一回りも二回りもあるナヴィ族に悠然と立ち向かうその姿。ナヴィ族の信仰の対象である森の木々をことごとく爆撃した残虐非道な行為を見たばかりだと言うのに、ここでのスティーブン・ラングは西部劇のヒーローのように勇ましいのです。
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