ロメロ先生による映画講座 生物学編
相変わらず事の発端を描かず、急展開から始まるロメロ作品。本作で狂うのはゾンビではなく人間。はい、今回も人間です。人間のエゴを憂鬱なほど魅せられる104分。鑑賞後には思わず「Am I crazy?」と自問自答したくなるほどの危険な作品でした。
ロメロ作風のゾンビ×狂った人間の組み合わせは狂気度が不釣り合いで楽しみながら観れますが、狂った人間×狂った人間だと観ていて辛くなるものです。見た目は人間でも中身はゾンビのよう。素晴らしすぎる…
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』での世間の正義と道徳に疑問を呈す作品の流れは本作でも健在。結局ロメロ作品で辿り着くのは「人間orゾンビ×社会風刺」です。