じろちぃ

誘拐報道のじろちぃのレビュー・感想・評価

誘拐報道(1982年製作の映画)
3.0
映画としてはめちゃくちゃ面白い。
キャストも豪華で凄すぎる。
1980年前後の日本の様子も興味深い。

ただ
これは実際の事件があってから2年後に公開された映画だと知り、心が痛む。
2年はあまりにも日が浅く、実際の犯人の子供もまだ幼いであろうに何の配慮もされなかった時代なのだなぁと。

それから
この映画の最後のシーンで、報道協定破りのペナルティーを課された新聞社の人間(丹波哲郎演ずるところの部長)が
「協定の精神には違反していない。子供の命を守るための協定なのだからこれでいい」と言い、更には他の上司も「(協定解除前にヘリで撮影し)これだけの号外を作った。報道協定の中でみんな頑張った。みんなのおかげだ。ご苦労さん」と労う。
現場、感涙。
…って、それ、どうなん?
ずいぶん身勝手な解釈しますなぁ、マスコミは。
しかも!
この映画を作ったのは、実際にペナルティーを課された読売新聞とな!
何これ!
こんなに長い時間物語を見せといて、最後は自分らの正当性を言っちゃうんだ!
ふぁーーーーー!

というわけで、
映画だけの評価で言えば満点に近いが、近年「マスゴミ」と揶揄されるその姿勢、態度、開き直りが気持ち悪いので3点止まり。



昔の新聞の作り方
公衆電話
500円札両替機
遊園地の水飲み場
レトロなアイテムが続々登場する中、
オートバックスが今と変わらないのが意外。
まだあまりコンビニが乱立していない時代らしいけどポケベルはあったんだな。
ショーケンの色気が度を超しているシーンがほんの少しあるので子どもには見せられない映画だが、1980年代アタマの日本の様子を知りたいならとてもいい資料になるかも。
じろちぃ

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