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ダンサー・イン・ザ・ダークのinoueのレビュー・感想・評価

2.9
なんだこの不快な映画は。
悪くいうと、いちいち主人公のセルマがうざい。もっと上手に生きろよ!と思う。

でも、この映画は胸糞悪いですが嫌いではないです。もう一度観たいとは思いませんが(笑)

普通、映画とかアニメもドラマもそうですがどんでん返しの逆転劇があります。そこでそれが起きると観ている人がスッキリしたりして満たされます。
しかしこの「ダンサー イン ザ ダーク」は全くありません。平坦に物語が淡々と進んで行くだけです。弁護士が来て逆転裁判が起こる!と思いきや流れて行ってしまいます。
すごく現実的でした。何やっても全て上手くいかないし、正直でいるとその正直が信じてもらえなくなる。
ここはすごく共感しました。だからか、ここだけは特にイライラしていました。観ていてストレスがたまります。

この映画はホームビデオのような手撮りの撮り方でしており、ミュージカルの時だけしっかりと固定されたカメラで撮影しています。その、ミュージカルが何と言ってもしっくりこないのなんの。
楽しそうな雰囲気が出ていますが、ぜんっぜん楽しくない。余計に不快な音楽です。
上がり切らずずっと下がったような音楽。

全部観終わってしんどいです。


一番書きたかったのが、ラストです。心の声を聴いて歌っている時に、サビの途中で地面が抜けます。もうビックリです。
彼女は、「最後から二番目の曲」と言っています。最後の曲が嫌いなセルマは自らの最期を「2番目の曲」と言っています。自分が死ぬということから逃げて守ってたんでしょうか?現実逃避だと僕は理解しております。

そして、セルマの最期のとき。
一番の友人のキャシーも好きだったジェフも最期を見届けていません。
ジェフに関してはセルマから最期は見届けて欲しいと言われていたのに。



セルマが最期まで可愛そうで、可愛そうとしか思えませんでした。人って何で死ななきゃならないのかって考えました。もうあんなに悲しんで苦しんで怖がってるのに。


社会っていうのは冷たく恐ろしいものです


こんな長文読んでくださりありがとうございました😊
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