古池

しとやかな獣の古池のレビュー・感想・評価

しとやかな獣(1962年製作の映画)
4.9
この映画。興味はありながら、おハイソな、こねくりまわした雰囲気なのかな?と、おっかなびっくり観てみました。
すーっ…と、内容が入ってくるというか、夢中で観ました。
あぁ、怖くないんだ。ニヤニヤして楽しんでしまって良いのね!
そう思ったのに…。
それでも、やっぱり絶妙なバランスで、ひたひたと迫るような怖さも示しても、後味は、ググッとモダン。
能の謡曲(?と言うのでしょうか?よくわかっていません…)が、とても効いていました。
意外にも、何も考えずに観れる、きっちり楽しませていただける器の大きいエンタメ映画でした。
でも、胸にずしんと塊が、つかえたような…
階段。狭い階段が。あの禍々しい空の色と豪雨が。瞼に残りますね。
かっこいい。
役者さんも、皆さん本当に素敵。
一家のお母さんが、絶妙。

全体的な印象は、どぎつい映画でテンションあがる!というのとも、ちょっと方向が違いました。
テンションは、あがる。それだけではなく、形容し難い衝撃を受ける。
それでいてサラッと観られる。
どこか上品な感触。
ふぅ…

観賞中は、若尾文子さんは素敵だけど、周りも素晴らしいので、意外と印象が薄いかしら?と、どこかで感じていたのに、まとまらないままに書いていくと、やっぱりあの美しい凛とした悪女な、お姿が心に残りました。

かっこいい映画でした。