なるみん

おおかみこどもの雨と雪のなるみんのネタバレレビュー・内容・結末

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

観終わった後は「母親の花が完全無欠過ぎ」とか「田舎暮らしのリアリティがない」とか感じちゃって、映像的には素晴らしいんだけどイマイチ乗れなかった。

しかしこのお話を「母から聞いたことを雪が語る」物語として定義し直すと全てが腑に落ちる。
そりゃ子供には鬱になりそうな育児の事や田舎のドロドロした人間関係なんか話さないだろうし、父親のいい思い出の事しか伝えないであろう。
花自身も田舎に馴染んで楽しくやっていることから肯定的な語り口になるのは無理もない。これが雨視点だったら物語のテイストもだいぶ変わったんじゃないかな?

狼への変身を封印して社会との折り合いをうまく見つけていく雪に対して大自然の営みに心惹かれていく雨。
不登校児が学校以外の環境で新たな自分の世界を確立していく事のメタファーなのかもしれないけど、ちょっと説明・描きこみ不足の感が。自然の中で生きていく事は人間社会で生きていく事の何倍もきつくて大変だということが全然伝わってこない。

社会の片隅で親子3人ひっそりと生きていく事は無理!みんなで力を合わせないとやっていけない!と同じ話の中で語っているのに・・・そもそも狼は群れを形成して生きていく社会的な動物なんだけどね。

あと単純に「雨」って言う名前はDQNネームじゃ?
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