◆俺たちのヴェイダー卿、ついに告白する。
本作の見どころは大きく二点。本気を出したダース・ヴィダー率いる銀河帝国軍の圧倒的な侵攻と、ケチョンケチョンにやられる同盟軍のふがいなさ。そして、ラストを大きく盛り上げるダース・ヴェイダーの告白です。
まさにタイトルの通り「帝国の逆襲」にふさわしい内容で、前作のデス・スター爆破がいかにマグレであったかを、銀河帝国がいかに強力なクローン軍隊であるかを、私たちの魂に刻み付けてくれます。まさに圧倒的。特に、氷の惑星ホスに侵攻してくる巨大なスノーウォーカーAT-ATの存在感はハンパではなく、私はニンテンドー64ソフト『スターウォーズ 出撃ローグ中隊』でもこのAT-ATの足にワイヤーをかけて転ばすというミッションがいまだにクリアできません。AT-AT、そして帝国軍、間違いなしの強敵です。
おっと、中盤にもうひとつ見どころがありました。それはルークの修行です。「なんか、ジェダイのすっげー強えやつがいるらしいから、オラ、そいつのもとで修行してくっぞ」と出かけた先で出会ったのがヨーダです。その指導方法が、「やる気スイッチを見つけたら叩き壊す」的な内容で、ジェダイがなぜ滅びたのかが分かる気がします。
そして、やはり大注目なのはラストの告白シーン。憎たらしい青二才ルークが死んだと思っていた実の息子だと知ったダース・ヴェイダーは、完全に冷静さを失ってしまいます。それはそうです。息子が生きていたら皇帝の下に付いている必要もないのですから。彼がほしかったのは家族でした。家族のために、彼はジェダイすらも敵に回したのです。そして、皇帝が自分をたばかったのだと、この瞬間、両者の確執は決定的なものになりました。
「その父親がワシなのだーーーーーっ!!!」
「Noーーーーーーーーーーっ!!!」
空中に放り出されまいと片手でアンテナにしがみついている息子に向かって、「ダース・ヴェイダーは父親を殺した」という誤解をとこうとするものの上手く説明できなかった父。その必死な父の言葉を息子は全力で否定します。
ヴェイダー卿の心中を考えると涙が止まりません。父親はいつだって損な役回りなのです。