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悪い種子(たね)のkazマックスのレビュー・感想・評価

悪い種子(たね)(1956年製作の映画)
3.6
クリスティーンの一人娘ローダは8歳の女の子。ある日、同級生の男の子が浅橋から落ちて溺死するも「そんなことより私お腹がすいちゃった」と、まるで他人事。しかし事故直前に男の子と一緒にいたのは他ならぬローダなのでした。

「ご覧頂いた作品は驚くべき結末が見どころです。くれぐれも最後のヤマ場を口外なさいませんように」とテロップが出てきて、いわゆるネタバレ厳禁映画のはしりでもあるんだね。

今の時代からすればそんなに驚くべき結末でもないけど伏線もしっかり張られていて良く出来ていた。原作が小説による舞台劇なのでその辺のラスト演出もいい感じ。モノクロ映像と「月の光」のピアノ演奏もいい感じ。

怖い子供の映画は『光る眼』『悪を呼ぶ少年』『オーメン』『チルドレン・オブ・ザ・コーン』『危険な遊び』などなど多々ありますが、おそらく元祖・怖い子供の映画は1956年制作の『悪い種子』なのかな。

1950年代半ばのアメリカは第二次世界大戦も終わり、ベトナム戦争に介入する前の古き良き時代で、『BTTF』の過去でも描かれてたような陽気な時代に「無邪気で凶悪な子供の映画」が出てきただけで当時のアメリカ人にとっては結構衝撃的だったのかもしれない。

因みにこの映画、2018年にリメイクをしてまして、そちらのほうの怖い女の子は『ゴーストバスターズ/アフターライフ』が記憶に新しいマッケンナ・グレイスちゃん。リメイク版では男の子が落ちたのは浅橋ではなく崖で、メダルのやりとりがもう少し詳細に描かれていて、庭師のリロイがティーン女子のベビーシッターに変わってたり、ちょっと設定変更して頑張ってたんだけど、どうも今の時代に合わないようで、ただのB級サスペンスになり下がってました。