からすく

悪い種子(たね)のからすくのレビュー・感想・評価

悪い種子(たね)(1956年製作の映画)
5.0
出逢えて良かったと心の底から思えた映画

夫は真面目な殺人ミステリー作家、虫も殺さぬ妻と祖母も気品があり庭師を雇える屋敷に囲まれ、子供は学校でも評判の良い品行方正な一人娘と典型的な上流階級
しかしある日娘の通う学校遠足で小学生の溺死事件の報せが入る
運良く自分の娘では無かったが、8才の娘にクラスメイトの友達が死んでしまったショックをどうケアしようか苦悩する妻に、娘はあっけらかんとした態度で帰宅
心配しつつも安堵したが、その後事故の状況を訪ねに来た保安官と娘の話が噛み合わない
恐ろしい想像が浮かぶ中、妻は娘の部屋から溺死した少年が持っていた私物を発見してしまう

最初庭師が舞台のように考えや状況説明を全部喋っていたり、妻の視線が人物と妙に合わないところが気になったが、元々舞台を映画化したものらしく、納得。

ストーリーは大人の騙されっぷりと娘の執念がおぞましいの一言
エンディングはアメリカ人の性格が出た終わり方で味があって好き

1956年の作品だがそれなりに映画タイトルだけは知ってるつもりだったのに全く知らなかった
そりゃ中古DVDで見つからんわと思わせる傑作
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