YokoGoto

フリーダム・ライターズのYokoGotoのレビュー・感想・評価

フリーダム・ライターズ(2007年製作の映画)
3.6
ー努力すれば、誰でもお姫様になれる社会にー

90年代、荒廃したロスの公立高校で、生徒たちと真正面から向き合い、生徒たちに希望を持たせた実在した高校教師のお話。アメリカにてベストセラーになったノンフィクション小説を映画化。

さまざまな人種の壁、貧困、ドラッグ、ギャング。
生まれながらにして家庭の事情で、教育には期待せず、未来は描けない青少年たちが舞台というあたりは、ハリウッド映画さながら。
大人が信用できない子どもたちが、真正面から向き合う教師 エリンとの触れ合いの中から、成長していく様が自然な形で描かれているので、非常に観やすく感情移入しやすい映画。

人間が成長していく過程で、なによりも大切なものが『知』という能力。
様々な壁を乗り越え、チャンスを掴めるのも『知』という絶対的な力が必要であることを、この物語は訴えかける。

一見、『日本ではあり得ないだろう』と考えられるかもしれないが、子どもの貧困や、親の年収に応じた子どもの学力の相関性を見れば、現代の日本であってしても他人事とは思えないはず。

“子どもは社会が育てるもの。”

その普遍的な題命題を痛感させられるお話であり映画である。
YokoGoto

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