想像したより悪くなかった一作です.
長澤まさみの新鮮さが輝く前半はいいのですが,闘病を描く後半は失速している感が否めません.
もちろん闘病というものの性質上,続けば続くほど作品としての起伏はなくなってしまいます.本作はそれが残念に映りました.
誤解のないように捕捉しますが,闘病という現実に近い描写と,作品の起伏という虚構のバランスを取れていないなと私は感じたというだけです.
いまも現実世界で闘病していらっしゃる方と,そのご家族を否定的に述べるつもりは毛頭ありません.
作品として論じているだけだとご理解ください.
闘病の描写があるのに展開の遅さを感じさせない作品には「P.S. アイラヴユー」が挙げられますよね.
しかし,あの作品のメインは闘病後の描写であり,そもそも本作の比較対象としては不適切なのかもしれません.
そんなことを感じた一作でした.