怖いのスッキ

ザ・ライト -エクソシストの真実-の怖いのスッキのレビュー・感想・評価

4.0
想像を良い意味で裏切ってくれた良い作品だった。かなり見てよかった。

エクソシストモノってありきたりだよね。
てか洋画はだいたい悪魔憑きだから悪魔払いしてハピエンorバッドエンドってかんじだけど、この作品は非常に現実主義な主人公がエクソシストになるまでの過程を描いた作品だったのがまず他にない着眼点でよかった。
「悪魔払い」に重きを置いていない。
「悪魔を払う人間」自体が主役だ。
そこがいい。
あとは脚本も演出もひいてはそう決めた監督の感性が良いんだろう。
下卑た低俗な「悪魔払っとけばハピエンホラー」の陳腐な映像は一切無く、極端に怖がらせに来ることもない。これはホラームービーではなく、とある青年の青春成長活劇なんだと思う。
ただただ美しいヴァチカンの風景、ローマの街並み、そこにエクソシストの仕事がある、そんな映像だった。ここは私はかなり賞賛したい。
ネコも可愛かった。ネッコ


エクソシストとは何か、
信仰とは何か、
人間とは、神とは、悪魔とは何か、
かなり深く思慮させてくれた。

我々のすぐ側にある、
表裏一体の罪と善、
背中合わせで綱渡りのように生きている。



ラストのネタバレ含む↓

最後、今日も僕は悪魔払ってマッス!!悪霊退散〜〜!!みたいなエンディングじゃなく、
しっとりと懺悔室で
小さな懺悔に耳を傾けているのがとても良かった。

いつしか巣食う魔が、
潜む恐怖が、
何でもない毎日に紛れているのだと。

薄い信仰が寒々と蔓延る中
したり顔でコチラを狙う者がいるのだと。

それは己の中にある、
悪魔であろうと無かろうと。

良い作品だった。
偶像崇拝はしない主義なんだけど、
そもそも自分の中の常識を懐疑する必要があるのかもしれない。
真実だと思う事は本当に真実だろうか?
あり得ないと否定する事は本当にあり得ないのだろうか?
中々に考えさせられた。
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