キャトラーズ

風が吹くときのキャトラーズのレビュー・感想・評価

風が吹くとき(1986年製作の映画)
5.0
戦争映画アニメーション。
近くで核が落ちて被災した後
政府のガイドライン(実際にイギリス政府が
出していたものをモデルにしているらしい)に
従った夫婦の数日間のみを描写し
グロテスクな表現は無いが
音楽も相まって物凄く恐ろしく惨い。
特にミニチュアに切り替わるシーンが
生々しくて怖すぎる。
ただ二人の会話が時々クスクスくるとこも
あったりして感情が難しくなる。


ずっと観たかった、というより
観なきゃいけないな〜と思ってた作品。
ちょうどさっきTwitterのトレンドに
#何ひとつ良いことが起きない映画 ってのが
出てて開いたら一番最初にこれが出てきて
ちょっと頸がビクついた。

こんなにもタイムリーなタイミングで観るとは思わなかった。
つーか度々思うことがあって、
ロシア/ウクライナの戦争によって
何ならかんやら急に言い出すヤツら
アフガンや南スーダンとかには
無関心だったくせにってとこはあるよなって。
まあ俺も勉強してないし
結局自分の周りさえ良ければ
国内であれ他人のことすら
どうでもいいのだから
批判なんて出来ないけどね。


〝ミサイルが飛んできたら袋かぶっとけ〟って
アレ完全に〝後で死体処理が楽だから〟
でしかないのが本当にキツかった。
本当にガイドラインにそんなこと乗せてたのか…

あのモールス信号やお祈りの意味を
調べたけど、本当に隙が無いな。笑
どこまでも風刺や問題提起が詰まってる。


よく戦争映画のことを
〝全人類見るべき〟みたいなこと言うけど
結局は作品が内包する主張を
きちんと受け止める姿勢が無ければ
観ても何の意味もないよな。
俺も少しは持ってて良かったなと思うよ、
さらに広く持てるはずだということも忘れないように。
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