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風が吹くときのnaosugaのレビュー・感想・評価

風が吹くとき(1986年製作の映画)
3.8
核戦争の恐怖を描く、なんていう括りになるかと思うが、本質はこの映画はホームドラマで、ごく普通のどこにでもいそうな、上級でも下級でもない人たちの最後の数日間を描く。なにしろ家庭の中のことしか描かれないので、戦争に至った政府の無能とか、救援が来ない、情報提供がないという自治体の体たらくとか、そういうことについての言及は一切ない。主人公たちはそんな社会に対する怒りを一切表明することなく静かに消えていく。そう考えると、この映画でいいたいことは、もっと戦争に怒れ、ということなのかなあと思った。
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