経済入門

パルプ・フィクションの経済入門のネタバレレビュー・内容・結末

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

☆こんな作品観たことない!タランティーノの魅せる魔法☆

この作品、胸を打つメッセージ性や衝撃的な展開なんぞ何もないのに、めちゃくちゃ面白い。2時間半、飽きることが全くなかった。

まず特筆したいのは、ストーリー構成が見事だということ。幾つかあるストーリーが時系列ぐちゃぐちゃで交錯しているが、最後にはしっかりと繋がる。とりわけOPのストーリーをEDで回収したのはとても鮮やかだった。
ギャングが似合わないTシャツ姿で説教して終幕。たまらない!

色濃い彼らが繰り出す無駄話も面白い。
敵の食ってるハンバーガーを味見させろとか、トイレに行くから話題考えておいてとか、ベーコンは汚いだとか。本筋とは関係のないお喋りも全部面白い、聴き入ってしまう。観客に迎合せず、タランティーノが好き勝手に自分の世界観を作品に投影したからこそ、この面白さが生まれたのか。

緻密な伏線こそあまりないが、実は細部にわたり数々のこだわりも施されている。後から気付いたことだが、ヴィンセントがトイレに行った時は必ずトラブルが起きている。というのも、パルプ(安っぽい紙)は転じてトイレットペーパーと意味があるからだとか…。
こんな風に作中には、タランティーノのこだわりが幾つも感じられる。
ストーリー自体は密度スカスカだが、揉めば揉むほど泡がよく立つ、正にスポンジのような作品だ!

曲の強いキャラクターたちが織り成すストーリー、プっと笑ってしまう無駄話や演出。それらが交錯し合って一つの作品ができあがっている。安っぽいが、堪らなく最高なフィクションだった!
ありがとうタランティーノ!
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