ユカートマン

家庭のユカートマンのレビュー・感想・評価

家庭(1970年製作の映画)
4.0
トリュフォーの分身アントワーヌドワネル作品の一つ。結婚したアントワーヌが謎の日本人美女に惹かれ浮気してしまう物語。この日本人美女はパリコレ初の東洋人モデルの松本弘子さん。昔のベタなオリエンタル像がみられる面白い映画。

花が早送りで開花し、そのあとクリスティーヌが泣きながら着物着て日本舞踊のような化粧をしている一連の流れが可愛くて最高。レストランに行って主人公が電話に行ってから帰ってくるまで食べず犬のように待ってる姿が日本人の性格が丁寧に描写されていた。置き手紙の 勝手にしやがれ で吹いたんだけど映画の方の勝手にしやがれの原題はÀ bout de souffleで、フランス字幕は違う風に書いてあったから日本人にしか分からないポイントだったのかな。幸せな雰囲気のご近所付き合いのなかに突如として現れる不審な男が勝手に絞殺犯と思われるもただのお笑い芸人ということが判明したり、謎のオリエンタル美女に惹かれて新米パパのくせに浮気しようとするも日本人女性扱いづらい!って逃げ出して妻に電話したら、それを受け止めて励ます妻だったり、オフビートな笑い炸裂でこのほのぼの感が最高。東洋人初のパリコレモデルなんて日本人として誇りだしジャンピエールレオと共演する同じ大和撫子なんて憧れでもあるし…一番気に入ってるのは奥さんのバイオリン教室の生徒とその母親に「君、僕の妻よりバイオリン上手だね、妻が月謝払わなくちゃいけないぐらいうまいよ」といって見事滞納してる月謝を払わせるシーン。他のドワネル作品も全部観なきゃ!
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