凡

K-20 (TWENTY) 怪人二十面相・伝の凡のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

邦画で何が一番好きかと聞かれたらこの作品を挙げる。
最初の主人公の落ちていくところや、暴力をふるわれるシーンは見ていてとても辛い。だが、主人公を助けた泥棒達にあってからガラリと変化する。
同じサーカスにいた年下の男の子との交流を踏まえて主人公の頑なだった心境が変化するところ、そして一番心躍る修行のシーン!今でこそスポーツとして知られているが、建物の障害を超え真っ直ぐに突き進む修行は主人公の心のようにも感じられる。
お嬢様を助けたことから探偵と手を組み、謎を解くために芝居をうって出るところ。本来ならば絶対手を組まないが事情なだけに手を組むと、ここまで心強いのかと見ていてとても心が躍る。
二十面相との対決はそれまでのギミックや、裏で行われていた思惑の応酬、主人公のあと一歩足りないアクションシーンに手汗が握る。
怪人二十面相の思想を貫き通すところ、そしてサーカスに戻ると言っていた主人公が、二十面相との対決を終え、いい雰囲気だったお嬢様に、表でお前は頑張れ。裏では俺が怪人二十面相として活躍するからと言い(ニュアンス)別れるシーンは芽生えかけた恋を弱者を救うために身を捨てる、2人の真っ直ぐで頑固な性格が最後まで変化することなく良い意味で貫き通されていてよかったと感じられる。
かなり展開があるはずなのに綺麗に一本の中に取り残すことなく収まっているのがまたすごい。
凡