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K-20 (TWENTY) 怪人二十面相・伝のKANIOのレビュー・感想・評価

5.0
舞台は第二次世界大戦が回避された昭和の日本。
日本帝国軍と米・英国軍との平和条約が締結された後の帝都と呼ばれるところで、華族制度により富の9割がごく一部の特権階級に集中している極端な貧富の差が生じている身分制度社会が舞台。スチームパンクなビジュアルと、濃密な設定が練りこまれている世界観がとても特徴的。

作中で描かれるコスチュームやワイヤー装置は、『スパイダーマン』や『バットマン』、『マスク・オブ・ゾロ』などアメコミヒーローを彷彿とさせる。
ワイヤーアクションやCGだけでなく、邦画の大作としては初めてパルクールにおけるアクションを採用した事でも有名な作品。

物語の粗は目立つものの、パラレルの昭和をベースに作りこまれた世界観やビジュアルはとても魅力的で、アクションの魅せ方も特撮ヒーロー的で素晴らしい。
また、話のテンポも良く、幕引きの演出が最高にクールで印象強い。
完璧な映画とは言い難いが、紛れもなく「日本でなければ作れない世界観」を上手く創り上げられた、個人的にとても好きな作品の1つ。
昨今の全く盛り上がらない日本のヒーロー映画が1番見習うべき和性ヒーロー映画かもしれない。
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