Tutu

おかしなおかしな石器人のTutuのレビュー・感想・評価

おかしなおかしな石器人(1981年製作の映画)
3.2
言わずと知れた世界的ロックグループ、ザ・ビートルズのドラマー、リンゴ・スター主演のコメディ映画。

フィルマークスでリンゴ・スターの出演作を調べてみると、まあ当然と言えば当然だが音楽関係の作品がずらっと出てくる中、原始人の恰好でやけに生き生きとしたリンゴの顔がばーんと出てくる本作はかなり異質な存在である。なんでリンゴがキャスティングされたのかさっぱり分からないが、当時の「ザ・ビートルズのリンゴ・スター」の立ち位置がそこはかとなく窺い知れるような思いである。

火の発見、音楽の発明、石器の開発等々、人類の進化をダイジェスト版でお送りする本作。僕は敢えて『2001年宇宙の旅』のオマージュ作品であることに言及しておく。「モノリス」はリンゴの内に、女の子と「にゃんにゃん」したいという純粋無垢な欲望(あるいは煩悩)と共にある。

本作における人間の進化は「背中の骨をまっすぐに伸ばす」ことから始まる。ボキボキと。現実の人間は背筋を伸ばしただけで片言から流暢に激変するわけではないが、姿勢を正すのは観念的な意味においても人としての基本であるわけで、猫背の僕は大いに見習うべきだと思う次第である。ドラムを叩く際に腰痛を引き起こさないためにも大事だ。
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