菩薩

日曜日が待ち遠しい!の菩薩のレビュー・感想・評価

日曜日が待ち遠しい!(1982年製作の映画)
4.0
調査が下手くそな探偵→『夜霧の恋人たち』のドワネル、脚を撮りたいが為に奥が半地下に構造になっている事務所→『恋愛日記』の冒頭、ユゴーを演じる素人劇団→『アデルの恋の物語』、寝言で前の恋人の名前を呼ぶ失敗→『隣の女』、アパルトマンの外壁から突入するトランティニャン→『暗くなるまでこの恋を』のベルモンド、ホテルはいつもの813号室、電話・タバコ・コーヒー・映画館…などなど、自ら遺作となる予感でも感じていたかの様にセルフオマージュの嵐、フランスに亡命したいアルバニア人BBAはヒッチ『引き裂かれたカーテン』のアメリカに亡命したいポーランド人BBAだろうか、キューブリックは『突撃』で出てくるが競馬も出て来る、他にも念入りに探せば色々出て来る事だろう。何よりトリュフォー作品を貫く三箇条(と勝手に命名する)、

①、美脚と美乳は世界を救う
②、愛は狂気、人生を狂わせる
③、女性は魔物、子供は神、映画は友達であり親

の精神が如実に表れた一作となっていると思う。カラーではちと顔面のアクが強すぎるファニー・アルダンも、モノクロであればスタイルの良さの方が際立つ。B級映画を意識してなるべく早撮りで…との事、その意識のせいか若干繋ぎも雑だしご都合主義で進むし尺自体が後30分短かったらそうなっていたかもしれないが、ヌーヴェル・ヴァーグの天才児は最後まで天才であったと、いとも簡単に証明して見せたS級作品でしかない。ありったけの愛を込めて、早過ぎるさよなら、トリュフォーの意思は俺が太腿映画大賞で継承していく(何様)。
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